一般財団法人産業施設防災技術調査会

Institute for Disaster Mitigation of Industrial Complexes

平成25年12月に可決成立した「国土強靭化基本法」には、基本方針の一つとして「国家および社会の重要な施設が致命的な損害を受けないこと」が謳われています。 わが国の産業施設の多くは東京湾、伊勢湾、大阪湾および瀬戸内海などの臨海部に集中しております。これらの産業施設が地震、津波および高潮・高波によって被災した場合、わが国のみならず世界の経済活動と、国民生活に極めて深刻な影響を与えるものと考えられます。
一般財団法人産業施設防災技術調査会は防災分野の経験豊かな技術者と関係機関の力を結集して、産業施設の強靭化に貢献することを目的としています。

財団設立の目的

■南海トラフ沿いの巨大海溝地震および首都直下地震などの発生の逼迫性が指摘されている。我が国の重要な産業施設の多くは臨海部埋立地に立地しており、 地震の揺れ、液状化、側方流動、津波などの脅威を受けている。また、多くの産業施設が建設後、多年経過していることから老朽化も危惧されている。


■これらの産業施設が自然災害によって被害を受け、その機能が大きく失われた場合、国力の著しい低下を招き、国民生活にも極めて深刻な影響を与えることになる。 このため、重要な産業施設等の防災力向上は国の重要施策の最重要課題に位置づけられており、関連省庁、自治体、研究機関において調査・対策が進められている。


■「一般財団法人 産業施設防災技術調査会」設立の目的は、防災性能向上のための適正な技術選定、技術開発と普及、防災データの整備と活用、各種指針・マニュアル ・ガイドラインの整備を行って、産業施設の防災対策を支援し、わが国の防災力向上に寄与することにある。

産業施設防災力向上の流れ
災害ハザードの予測

地形・地盤・土質条件の調査、表層地盤と構造物・施設のモデル化等

防災対策に向けた各種基礎調査
地震・地震動、津波高・浸水域等の予測とハザードマップの作成
産業施設の被害予測

護岸安定性の検討、地盤の液状化・側方流動化予測、
施設・構造物の変形と応力の予測、危険物の海上流出予測、近隣地域への影響の予測

防災対策実施のための基本戦略策定

リスク評価、防災性向上基本戦略策定、BCP 作成、緊急対応・防災訓練

防災対策の実施

強靭化設計、護岸・地盤・施設・構造物の強靭化工法の選定、
施工法の検討、工費の見積、地震観測等モニタリングによる耐震性向上の検証

被災による社会、経済への影響

海上交通、輸出入、経済、エネルギー供給に与える影響予測
産業施設被害が社会に与える影響の予測